削る量が少ないブリッジ治療

失った歯を補う治療法には、「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」という3種類があります。ブリッジには、インプラントほど費用がかからず、入れ歯にくらべてしっかり固定できるというメリットがあり、多くの患者さんに利用されています。

従来のブリッジでは、失った歯の両側の歯を削り、両側の歯を支えとしてかぶせ物を取り付けます。

この治療法の大きなデメリットとして、支えとなる健康な歯を大きく削る必要があることです。削るだけでなく、神経を取ることもあります。このため、支えとなる歯の寿命は短くなってしまいます。

これから紹介する「接着性ブリッジ（ダイレクトブリッジ）」は、この弱点を克服した新しい治療法です。

 

接着性ブリッジは、人工歯を両側の歯に接着して固定するので、支えとなる歯を大きく削る必要がありません。これにより、次のようなメリットが生まれます。

特長①健康な歯をほとんど削らず治療できる

特長②歯の神経を残せる

特長③部分入れ歯のように目立たない

特長④インプラントと異なり、外科処置の必要がない

特長⑤金属アレルギーの心配もない

特長⑥1〜2回で治療が終わる

まるで夢のような治療法のようですが、一般的なブリッジに比べて外れやすいという弱点もあります。

一般的なブリッジとの違いについては、下表をご覧ください。

	メリット	デメリット
一般的なブリッジ	・固定する力が強い	・健康な歯を大きく削る必要がある ・歯の神経を取ることがある
接着性ブリッジ	・ほとんど歯を削らない ・歯の神経を取らない	・固定する力が弱い

このように多くのメリットがある接着性ブリッジですが、すべての症例に対応できるわけではありません。接着性ブリッジが適用できるのは、次のような場合に限られます。

• 両側の歯が健康であること
• 両側の歯が天然歯であること
• 噛み合わせの力が強くかからない場所であること

これらの条件を満たせない場合、一般的なブリッジ、インプラント、入れ歯などの治療法をお勧めします。

これらの治療法にはそれぞれメリット／デメリットがあり、患者さんによって最善の選択肢は異なります。当院では、インプラントや入れ歯ではなくブリッジを希望され、ご自身の歯を可能な限り残したいという方で、上記の条件を満たせる場合に、接着性ブリッジをお勧めしています。