メタルタトゥー改善 結合組織移植術・審美治療
2024年3月7日
2022年5月6日
結合組織移植術,メタルタトゥー,野田拓 歯科医師
初診時
STEP-1
50才代女性、上顎前歯2本の被せ物の際が黒くなり、歯ぐきも黒く変色しており、見た目の審美回復を希望され、来院されました。
STEP-2 被せ物をはずした時
被せ物を外してみると、被せ物や土台に使用されている金属が劣化して溶け出し、歯や歯ぐきを黒く変色してしまう「メタルタトゥー」の症状と考えられました。
歯の黒くなった「メタルタトゥー」部分は、歯ぐきの中の方まで広がっている状態で、このままでの改善は困難なので、歯ぐきの外科的処置を用いて審美性の改善を図ることにしました。
結合組織移植術
STEP-3 切開・剥離時
歯ぐきを切開し、歯ぐきの内側の黒く変色した部分を切除して取り除いてみました。
しかし、歯ぐきの中に埋まっている歯根部分まで黒く変色していたので、このまま歯ぐきを元に戻しても、歯ぐきの内側の黒く変色した部分を切除したことで歯ぐきの厚みが薄くなって、歯根の黒い部分が透けて改善が図れないと考えられました。
そこで、黒く変色した歯根の上に厚みのある丈夫な歯ぐきを用いて歯根の黒色部分を覆い隠す「結合組織移植術」を計画しました。
STEP-4 結合組織採取
口の中で、丈夫な歯ぐきが多く存在する上顎の口蓋の歯ぐきの表層を切開し、内側から丈夫な歯ぐきを採取して、再び表層の歯ぐきを戻して縫合しました。
STEP-5 移植片縫合
採取してきた厚みのある丈夫な歯ぐきを、黒く変色した歯根表面を覆うように設置して、切開した歯ぐきを元の位置に戻して縫合しました。
術後半年後
STEP-6
術後半年後、歯肉が落ち着いたところで被せ物の型取りを行い、セラミックの被せ物を装着しました。
初診時と比較すると、被せ物の際や歯ぐきの黒い変色が改善でき、審美回復が図れました。
今後、数ヶ月おきのメンテナンスにて経過を追っていきたいと思います。